ロス・レス工法の概要

1.改良抗の水平力について

鉛直改良抗は、地盤にセメント系の固化材を撹拌混合し、ソイルセメントコラムを土中に設けるものです。
特に長い場合を除き、改良抗には上部構造物による水平力から、せん断力が生じますが、曲げモーメントは殆ど生じません。
改良抗は接円で設けることにより、抗単独での挙動ではなく、抗の塊(基礎幅の抗に相当)として挙動するため、改良抗の周りの土塊が抵抗抗要素となり、曲げモーメントを抑えます。しかし極端に細長い場合は別途検討が必要です。

2.アンカーボルトについて

アンカーボルトは、基本的にせん断力のみを負担するため、アンカーボルトで対応します。アンカー部が水平梁より下にあることにより柱の応力は水平梁で負担処理し、アンカーボルトに引き抜き力を生じさせません。柱脚部に過大な引っ張り力が生じる場合は、アンカーボルトの本数を増やし、十分耐える設計とします。

3.鉄骨水平梁について

鉄筋コンクリートの地中梁は、鉄骨柱の応力を伝達するため、ベースパック等の柱脚を設けるか、埋め込む等の応力伝達を講じなければなりません。しかし、水平梁を鉄骨にすることにより、柱からの応力伝達がスムーズに行え、また工場加工のため工期・精度が向上します。梁成を小さくすることも可能となり、土工事量軽減できます。

4.改良土による水平梁の埋め戻しについて

水平梁廻りを改良土で埋め戻すことにより、梁の横座屈を防止します。
基本的に水平梁には座屈止めを設けませんが、改良土で埋め戻すことにより周辺土の収縮がなくなり、横方向の座屈が防止されます。また、改良土はアルカリ成分を有しているため、鉄骨梁の防錆効果も同時に期待できます。

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